
結婚式場のホームページ集客について語ります。
まず最初に、
ブライダル業界のウェブリテラシーは他業界と比べると、圧倒的に遅れている。
さらに、インターネットのメディア媒体の広告依存が強い業界である。
このことがまず大前提としてあるのが事実です。
結婚式場のホームページは見られてる
ブライダル事情を行なっている企業であればホームページ(ウェブサイト)を所有していることは今の時代必須項目です。
理由は簡単。
スマホでチャペルや披露宴会場の雰囲気を事前に見たいからです。
結婚式場のウェブサイトの役目は、
「見学に行ってみたい」
と新郎新婦に思わせること。
つまり来館のきっかけ作りです。
ゼクシィNET、ウェディングパークや、みんなのウェディングにも広告掲載されていると思います。
でも、新郎新婦は式場の場所やウェブサイトも当然見ます。
この段階で、スマホ表示で情報が少ない、行ってみたいと思えない、イメージがわかない。
となれば、来館率は低くなりますね。
レッドオーシャンなメディア広告市場
冒頭で紹介した記事のように、
他の式場と同じメディア広告を行わなければ見学候補にすらならない。という課題で悩んでいる式場もあります。
広告予算の振り分け、力を入れるべきメディア広告の予算配分という手法が主です。
ただ、みんな同じ場所に広告を出すことによって、「広告媒体の支配下にある」という位置づけに見えてしまいます。
つまり、どの式場も同じような広告を出し、そこでの順位争い、競争させられている。
似たようなメディア広告媒体が次から次と出現し、どの媒体を選ぶか?という作られた広告市場から抜け出してほしいと願ってます。
美容室がまさにそのような状態になってます。
独自の集客経路を育てる
式場関係者の中で、こんなことを思っている方はいませんか?
[chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「このネット情報の内容を信じてるの?」[/chat] [chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「式場の想いがなぜ伝わらない?」[/chat]新郎新婦が参考にしているメディアの中には、結婚式を挙げたこともない、ブライダル業界とは無縁のライターが書いた記事を「真に受けている」新郎新婦もいます。
誰が書いたかわからない「おすすめ〇〇選!」という浅い知識や情報が飛び交い、結局は新郎新婦に誤解を与える要因になっている・・と思ったことありませんか?
「来館してくれれば良さを伝えることができるのに」
伝えたい情報を式場も発信すべき
これはつまり、正しい情報を新郎新婦に届けることで、
このブライダル業界に誤解を招く情報や、
結婚式で後悔をしたという新郎新婦の口コミなどを、
減らせるのではないかと昔から考えています。
私は「個」の発信でしかない。それでも、情報発信を続けていると、
悩みを持った新郎新婦から問合せが増え続けている。
たった1人でも「迷っている人」に情報は与えられます。
でも、式場が本気を出して情報発信をしてくれたら、もっと多くの新郎新婦へ「伝えたい情報」を届けることができると思います。
ウェブ集客の目線を変える
集客方法がメディア広告の力が強いこともあり、なかなか自社で独立した集客方法や運用まで手が回らない、予算をかけれない。という部分も少なからずあるのも事実。
式場が自社で取り組めることとすれば、
・ウェブサイト→ウェブで体験させる仕組み
・インスタグラム→見込み客へ接触頻度をあげる
・Twitter→ファンビジネスへの取り組み
・YouTube→動画に情報を詰め込むコンテンツ作り
・キャラクター戦略→個人やキャラが発信するメディアやSNS
これは「今」できること。
では、今後未来に向けて何を発信していくか?
従来の結婚式を望む客層
従来の結婚式の「しきたり」を重んじるのは、地域性と言われていましたが、もはや過去の話だと思います。
確かに親世代には「披露宴とは〜」みたいな風習、プランナーも「一般的には〜」など、今までの(何十年前の)定型文のような接客スタイル。
賛否両論ありますが、私は別に悪くはないと思ってます。
それは、「しきたり」や「定型」の披露宴を行いたい。と思っている層があるからです。
ただ、思っているのは「親」や「新郎新婦の周りの環境」が背景にあるからであり、新郎新婦も100%願っているか?という視点で考えると疑問が生じます。
[chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「親の仕事関係で選べない」[/chat] [chat face=”man1″ name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]「本当はおしゃれな式場で挙げたかった」[/chat]という実際にある声もあることから、新郎新婦の満足度をあげるためにヒアリングも必要になってきます。
家庭の事情で課題や悩みを抱えている中で新郎新婦の要望を最大限叶えられるパフォーマンスが必要になってきます。
そのためにも情報発信、体験型のウェブサイト、行きたくなる、見たくなる仕掛けが「他社との差別化」に繋がると思いませんか?
今の結婚式場のホームページを見てみると、ユーザー視点ではなく、制作者視点のサイト設計が多いです。
・ブライダルフェア・特典などの情報
・チャペルや披露宴会場の紹介(モデルを使った写真)
・料理の紹介(コース料理の写真)
・スタッフのブログ
書いてある項目が一緒に見えるので、新郎新婦からは「どこがおすすめですか?」と聞かれます。
ウェブサイト見て「ここに行きたい!」と思わせたい。
つまり、疑似体験をすることで「未来を感じてもらうコンテンツ」が、式場にとって今後必要だと思います。
そこで有力なツールが「動画」です。
ただ式場のPR動画を見せるだけではなく、「ストーリーを見せて共感させる」に特化したコンテンツが価値を生み出すと思います。
2020年から5Gという時代へ突入し、動画コンテンツのあり方は間違いなく変化するでしょう。
すでに一部の式場では取り入れてますね。
結婚式の素晴らしさを一番肌で感じているのは「式場」だと私は思います。
従来の結婚式に反対している層
クレイジーウェディングを始めとしたオリジナルウェディングをプロデュースする会社は年々増えています。
11月22日に「#結婚式を自由に」というハッシュタグでTwitter上でトレンドワードになった。ものすごい数の投稿や本音が投稿されてます。
間違いなく従来の結婚式に不満を持っている。違和感を持っている層は今後もっと増えていく。
そして結婚式をあげる年代の人口も減っていく。
従来の結婚式スタイルを尊重する層は確実に減少します。
そしてオリジナルウェディングを求める層を増やす動きが業界で起こっている。
そして、従来の結婚式は避けたいと思っている顧客層にアプローチをしかける企業は増えると予測されます。
ということは、彼らの「場所」を提供してあげる立場になれる可能性もあるわけです。
土地や箱があるのが式場にとって最大の「強み」
従来の結婚式のスタイルに不満を持っている客層の中でも、
チャペルで挙げたい。という層は確実にいます。(実際に聞かれます)
新たな市場が少しづつ大きくなるのであれば、そこにリソースをかける。
例えば、年間20組程度のプロデュース会社を10社集めて場所提供できた場合、
料理・飲み物と使用料だけでも4億程度の売上になる。
メリットはそれだけではない。
・担当プランナーを付ける必要がない。
・最短の打ち合わせコストですむ。
・広告費もかけずに集客できる。
プロデュース会社も全て自社で持っいるところもあれば、一部外注している商品もある。
逆に利用するという発想で受け皿になると、年間4億という未来もあり得るのではないかと思う。
式場にとって従来のスタイルで売上4億追加させるには、年間で80組以上増やさなければならない。
これにかかる人件費、広告費、コストを考えると人材の確保も必要になってくる。
採用するにも新たなコストが必要になり、同じ売上4億でも利益は全く違う。
さらに現場スタッフの負荷になることが社員の不満や退社に繋がるリスクもある。
と考えると、新たなビジネスモデルの構築を最小限のリスクで実現させることできる時期にきているのではないでしょうか。
結婚式場にとって「箱を持っていること」が最大の強み。
これを活かすも殺すも経営陣の考え方になると予想されるます。
すでに動き出している式場もあるからです。
別ブランドのウェブサイトという選択肢
従来の結婚式スタイルは自社で集客を行い、
オリジナルウェディングを求める層に「場所提供」を行う。
同じホームページ内で行うとウェブサイトの世界観や提供している内容が異なるので、ユーザーが迷ってしまう可能性もある。
つまり、「ノイズ」になってしまう。
これを解決するには、全く別サイトで構築してあげればいい。
もっと言えば、フリーランスのプランナーや、プロデュース会社に情報提供することで、
紹介する確率は断然上がる。
フリープランナーやプロデュース会社にとって「やりやすい式場」が、
新郎新婦にとって「おすすめの式場」として伝わるからだ。
もし、仮にそのような式場が増えてきた場合、
また今のメディア事業が同じように「オリジナルウェディング」ができる式場のメディアサイトを作ってくるだろう。
そうなると、また今の仕組みと変わらならいメディア広告への依存が始まってしまうかもしれない。
だからこそ、ブライダル業界全体でウェブリテラシーをあげるべきだと強く推奨したいのです。
まとめ
結婚式を挙げる世代の人口減少、従来の結婚式に対する客離れ、自由な結婚式を広げる仕掛けなどを考えると、
今までのようにメディア広告の予算分配だけでは、根本的な集客課題を解決できるとは限りません。
従来の結婚式スタイルを重んじる層がなくなることはないでしょう。
しかし、限られた客層を多くの式場で競い合っても消耗戦になり、ますます利益が減っていく流れになる可能性があると思います。
新たな価値提供をブライダル業界全体で行なっていくべきだと思います。
結婚式の素晴らしさ、結婚式を挙げる意義、結婚式の本質を知っているからこそ、
今動くべきだと私は思います。