今回はビジネスシーンにおいて「動画が良い」という一面だけが広がってるのに対して「実は動画にしない方がいいケースがある」ということをお伝えしたいと思います。
動画制作を行っている立場から「そうじゃない」と矛盾してるかに聞こえるかもしれませんが、正直勿体無い事例が実は多いんですね。
ちょっとだけ解説していきたいと思います。
なんでもかんでも動画が良いわけじゃない
2020年頃から「5G時代、動画時代の到来!」みたいなキャッチコピーありましたよね。
また企業のYouTube参入もすごく増えています。
事実、動画はすごく見られるようになりました。気軽に動画に触れることができるようになったという言い方が正しいです。
例えば、YouTubeをスマホで毎日見ている人。電車の広告枠も動画で流れ、駅に行くと縦長の画面で動画広告が流れ、スマホの画面にも動画。
インスタもツイッターもフェイスブックもティックトックも動画動画です。
なので、我々動画制作を行っている立場としては嬉しい限りなのですが、なんでもかんでも動画にすれば良い・・というわけではないんです。
むしろ、損しているケースもあります。
動画の情報量は多いが悪い部分も伝わる
動画は写真や文字コンテンツに比べると圧倒的に情報量が多いので、見ている人にとってたくさんの情報を届けることができます。
・見た目の雰囲気や話し方でどんな人なのかも伝わる=人柄も伝わる
・短い時間で感動させることができる=声・動画・BGM・テロップで創れる
さっとあげただけでも動画の素晴らしさは本当にすごいです(語彙力)
一方で、この情報量とはどういうものがあるかというと、
・声、ナレーション(話し方や感情の込め方で伝わり方も変わる)
・BGMや効果音(映像は音楽でかなり印象が変わります)
・映像の見た目(人物の容姿、背景、雰囲気、色)
・構成(ストーリー性や間を作ることで与える印象、動画の長さなど)
この組合せでです。様々な目的に合わせて動画を作ることができます。
動画を作るときは、どんな感情や行動をしてほしいかで、この組み合わせ方や伝え方が変わってきます。
そして「悪い部分」の話。
この悪い部分とは、見ている人にとっていらない情報や、マイナスポイントとなる要素が含まれる場合のことを指してます。
例えば、
・効果音が入れすぎててしつこい、うざい。
・演者のテンションがうざい、不慣れなのが伝わる、清潔感がない、汚い、胡散臭い。
・話している内容は良くても雑音や背景に余計なものが写っていて気が散る。
・テロップが見にくい、画面の切り替わりが早くて字が読めない。
あげればきりがないのですが、『誰に向けての動画なのか』しっかり考えていないケースがあります。
これは非常にもったいないケースです。
画質が非常に悪い、画面が揺れまくるなどは論外です。(映像として成り立ってない)
要するに、見ている視聴者やターゲット層にとって不快な部分やノイズになる要素を入れてしまってる動画のことです。
逆にものすごいクオリティの写真とキャッチコピーで伝えた方が興味持ってくれるのでは?と思うケースもあります。
なんでも動画にすれば良いというわけではなく、視聴者(潜在顧客)の意識段階、購買意欲、価値観などに合わせた動画を適切に届けることで初めて反応が取れると思います。
顧客の状態に合わせた動画設計しましょう
企業や事業者が動画を活用して自社商品をアピールしたり、認知につなげたり、コンセプトに共感してもらうなどする場合、
視聴者の心理状態や、どんなステージなのか、視聴する環境はどんな状況なのかなど、さまざまなことを考えて制作していきます。
例えば、今から家を買おうと計画や話が上がった30代の夫婦とします。
・好みの雰囲気を見つけると、実際に行ってみるか、資料請求してみよう。という段階
・初めて来店、問い合わせしてみる。→実際に話を聞いてみて他社とも比較する
・何度か足を運んで「いざ、どこで決めようか」という段階で家の性能や価格面の細かな部分
顧客層がどの段階にいるのかによってアプローチする内容も変わってきますよね?
いきなり住宅展示場に来館したお客さんに『うちの会社は気密性能が優れていてこの〇〇という数値が0.6のZEH基準を大きく上回る0.1の数値で非常に高性能な住宅を作っているんです』
と、説明したところで『そうなんですね』で終わることが多いと思います。
いきなり気密やZEH標準設計での訴求されても『いや、まだ見始めたばっかりで、どんな家がいいか見て回ってるです』というのが本音。
それよりも、最初の見た目の印象や雰囲気で『あ、ここいい感じだな』と思ってもらって初めて興味に変わると思います。
他の業種でも同じですよね?
この順番があるのと、人によって響くポイントは違うものの、いきなりセールストークされても決まらない多くの理由は「性能や差別化要素」を話していることが多いです。
これは動画でも同じで、視聴者がどのステージにいるのかによって、動画で伝えるべき要素は全く異なりますよね。
しかも、余計な悪い要素が入ってるとなると、サッと動画を消します。見ない。見たくない。
ただ作れば良いわけじゃないのが「動画」
そういう理由もあって、ただ動画が良いから・・という認識だけで動画制作に取り組んでしまうと、まあ失敗します。
自己満足な動画で終わります。
自社スタッフしか再生しない動画になってしまいます。
そんな誰からも見られない動画に何十万とお金かけると社員からも不満が出てきます。
嫌ですよね。そんなつもりなかったのに!!みたいな心境になるでしょう。
今、企業がたくさんYouTube動画に取り組んでいますが、本当に雑な動画を上げている企業さんを見ると「もったいない」と感じます。
商品や会社のブランドに関わってくることなので、客層に合わせた動画制作を行わないと逆効果になりがちです。
先ほど例であげたような「ダサい動画」を出したことで、反応が全く取れていない状況になってるところもあります。
もし反応が悪いな・・という動画をお持ちであれば、一度マイナス要素が入ってないか見直してみることも大事です。
悪い要素が見つかれば、そこを改善していくことの方が重要です。
ということで今回は
多くの人が間違っている「動画の方が良い」という認識
というテーマでお伝えしました。
ご参考になれば幸いです。